天安門事件と台湾へのワクチン
１９８９年６月４日の天安門事件。
遠因となったのは、中国の自由化と開放を提唱した胡耀邦総主席が保守派の抵抗で北京を追われ同年４月に憤死したことだった。
胡耀邦がそのまま主席として生き、自由化が進んでいれば、中国は様変わりしていたに違いない。
しかし権力闘争に明け暮れる共産党一党独裁下では、それに反する者は簡単に圧殺される。
胡耀邦の確かな死因すら闇の中だ。
天安門では民軍警合わせて３１９人が死亡したと公表されているが、実数は数万にも及ぶという説もあり、情報統制が激しい共産党政権下ではこれも確かな数字は分からない。
一応１万人が、という説が近いとされているが、かなり中共の顔色を見た数字だと思える。
中共ではあらゆる数字が当てにならない。
それを疑問ももたず、注釈も入れずにそのまんま報道するマスコミはすでに中共の配下になっているということだろう。
アメリカのブリンケン国務長官は現地時間の６月３日、天安門事件に触れ、これを「大虐殺」と断定し、真相の解明と中国人の自由と人権を求める行動を支持した。
言うだけ。
-------------
台湾では新型コロナウイルスの感染が急拡大しているが、台湾の蔡英文総統は中共の妨害によって海外のワクチン調達が難航していると非難していた。
そこへ４日、日本から台湾にワクチン１２４万回分が届けられた。
安倍前首相をはじめとする多くの人々の働きの結果だが、中国がからむことで慎重に大胆にとアクション小説並みの楽屋裏があったらしい。
こういうことが公になったりすると、若い人が政治家や官僚を目指す理由にもなるに違いない。
パフォーマンスは困るが、行動する政治と外交を期待したい。
これに対して中国つまり中共は「台湾の中国非難は偽りであり、台湾同胞の命と健康を軽視し、人道主義に反するものだ」
と台湾蔡英文政権を強く非難した。
中共の口から人道主義なんぞ聞きたくもねえわと思う。
それよりも中共は常に「台湾は中国の一部」だと言っている。
ならばその台湾にワクチンを送った日本に「ありがとう」のひと言くらい言ってもよかろうと思うが何も言わない。
習近平も「シエシエ」のひと言もない。
なんて礼儀知らずの共産党政府だ。
「台湾を救ってくれてアリガトウ」
くらい言え、習近平。
