アラシノチハレ

戦後最悪の国難に入っている日本、表面上は静かですが、中は火事。

職業差別という悪行

 

 

 「職に貴賤なし」
しかし最近は様子が変わってきているようです。

新卒向け就職情報サイト「就活の教科書」(運営Synergy Career(大阪市))が2021年5月までに公開した「【底辺職とは?】底辺の仕事ランキング一覧」と題した記事が最近になって炎上し始めました。

炎上のきっかけは不明ですが、運営会社は批判を浴びて6月28日までに記事を削除しました。

同社は「事実関係を確認し、今後の対応を」と言ってますが、昨年の記事であり、その監修者は同社社長だというのですからあきれます。

社長がこの職業差別記事を知って放置していたなら大問題です。

以前あった「上級国民」という言葉にも大きな違和感と不愉快さを感じましたが、この「底辺職」という言葉にも同じものを感じました。
新卒者の就活にこの言葉を使う無神経。
あってはならない許してはならない記事だったと言えます。

ところがこれに悪乗りしたのが、あの札付き電波屋「フジテレビ」です。
底辺とされた職業の人々にインタビューし、6月30日には堂々公開してしまいました。

職の尊さも、そこで働く人のモチベーションをも完全無視した破廉恥な所業はさすがフジテレビでした。
Synergy Career(大阪市)もフジテレビも、彼らこそが真の底辺の労働者でしょう。

 

この一連の出来事で感じるのは、いまの日本に職業差別が大っぴらに存在し始めてきているのではという恐れです。

この差別は、一部の狂った経済人によってモノづくりが軽視され、四半期決算という博打的経営者がのし歩く社会になった果ての恥ずべき結果と言えます。

いまも社会の底をはうようにある部落差別も、元はといえば職業差別が原点であったと個人的には思っています。
それが江戸時代に入って制度のようになり、各大名が幕府を恐れて横並びになり、やがて線香の火が家をも燃やす大火事になったようなものです。

職業差別は人間を職で決めるものであり、人間に対する冒とくであり、絶対に許してはならないものです。

職に貴賤なし、人にも貴賎なし、ですが、そうは思わない日本人が、日本人を装う偽者が、増えているのかもしれません。

 工事現場の土方と岸田首相、具体的にどこか違うのでしょうか。

土方がいなくなれば土木も建築も止まり、日本そのものが崩壊します。
しかし岸田首相が明日頓死しても、誰も困らず、日本は今日と変わらず進んでいきます。

職業差別は、人間の尊厳も国も社会も総てを破壊する悪行の最たるものです。

 

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